活動目標
「着物コーディネートの論理的思考とセンスを学ぶ場の提供を通じて、和装が自己表現法のひとつに取り入れられること」
たとえばランチの装いに着物とワンピースを二択で検討できること。百貨店でのお買い物に紬や小紋を選べること。特別な日の装いとして捉えられることの多い着物が、日常生活のより幅広いシチュエーションで選択される環境づくりを活動目標としています。
最初のハードル:和装ならではのルール
洋服も和服も「着るもの(身にまとうもの)」という役割においては同義ですが、和服には着物・帯・帯揚げ・帯締め・長襦袢・草履バッグの組み合わせに一定のルールがあり、そのルールを学習・理解して論理的に組み立てる必要があります(※1)。
「決まり事が多そうでよく分からない」「やってはいけない事がありそうで怖い」「組み合わせ方、格式、デザイン・・・」。和装にチャレンジされる方にとって、第一ハードルはまさにこのような「謎に満ちたルール」に尽きるのだと思いますが、言い換えると、それらをしっかり学び理解できれば自信を持って楽しめる!ということです。
(※1)あくまで正統派の着方を目指す場合です。【和装にブーツ】のような現代的アレンジで着物を楽しまれる場合には重視しない要素と考えます。(どちらが良いという意味ではありません)
謎多きルールは「論理的根拠」で突破する
「ルール(決まり事)が多い」という点は、これから着物コーディネートを学ぶ方にとってメリットでしかありません。ルールを理解できれば、なにも恐れるものはないからです。
「格合わせ(格式)」「文様合わせ」「色合わせ(配色バランス)」そして「TPO設計(着用目的や立場による格式レベル・デザイン設定)」・・・決まり事として耳にされることが多いキーワードかと思います。このうち「色」の問題は後述するセンス(個々人の感性)にも関連するため論理的根拠のみでは解決しないものの、そのほかは全て、論理的根拠の学習によって完全攻略が可能です(ある程度の学習時間を要します)。これが「ルール」として決まり事が多い利点ですね!
「論理9割、センス1割」の覚悟で学ぼう
「コーディネート」という言葉には「センス」に直結するイメージがありますが、着物コーディネートにおいては先述した「論理的根拠」が全体の9割、最後の味付けとして「センス」が1割といった配分で捉えていただくのが、実力養成の最短コースだと思ってください。
「論理的根拠」はカリキュラム制の定期講座が一番理解しやすく、すでに知っている知識の整理も含めてご受講になる方が多いクラスです。「センス」の部分は単発型の講座で最新情報を学んでいただくほか、各自の日ごろの情報収集が役立つことも多い要素です。
各自の目標、習熟度、学びたい内容によって、ある程度の選択肢から最適な講座を選べるようにしていますので、上手にお役立ていただければと思います。
着楽舎の歩み
2009年秋、呉服製造卸業の知識や経験を一般着物ファンに伝える場として着物勉強会「きもの塾」を開講。月に1度の講義からはじまった活動は次第に学び舎として仲間が集う場となり、2013年に「着楽舎(着物を楽しむ舎)」という団体名をつけて本格的な講座活動をスタートさせました。
2009年11月 | 東京都世田谷区奥沢の古民家にて着物勉強会「きもの塾」スタート |
2013年3月 | 団体名を「着楽舎」と定め、活動を本格化 |
2014年3月 | 着付教室スタート |
2016年1月 | 毎日新聞社系カルチャーセンター「毎日文化センター」にて定期講座スタート |
2017年10月 | 読売新聞系カルチャーセンター「よみうりカルチャー恵比寿」にて定期講座スタート |
2018年10月 | 読売新聞系カルチャーセンター「よみうりカルチャー横浜」にて定期講座スタート |
2019年1月 | 読売新聞系カルチャーセンター「よみうりカルチャー自由が丘」にて定期講座スタート |
2019年3月 | 着物に関する課外活動団体として「35会(みこかい)」を発足 |
2019年8月 | 東京都世田谷区奥沢に「着楽舎本部教室」を開設 |
2020年2月 | 着物勉強会「きもの塾」累計開催100回を迎える |
2022年10月 | 着楽舎10周年記念パーティを開催 ※コロナ禍により2年期ズレ |
2023年4月 | 初の遠征ツアーとして「京都ツアー(西陣織学習・観光)」を開催 |
2025年2月 | 着物勉強会「きもの塾」累計開催150回を迎える |
2025年2月 | 着楽舎15周年記念パーティを開催 |
運営者
代表 中川時次
着楽舎代表。1950年京都西陣生まれ。両親ともに西陣織職人という家系に生まれる。故・山口伊太郎を師に学び、その後、東京日本橋で長く帯のプロデュース・卸売業に従事。2000年に独立し「銀座きものなかがわ」創業。高級呉服卸・小売業を営むかたわらで、2009年よりカルチャー活動を開始。
上質な着物文化、粋な着物文化を残していくための活動をライフワークとする。古典を大切にしつつ、現代的な感性も常に取り入れて、現代に見栄える着物姿を常に研究している。
講師 中川美湖
着楽舎の活動運営全体を担当。講座の企画、運営および各種イベントの企画運営。講義も担当。
大学卒業後、化学メーカー・通信会社・繊維メーカー勤務を経て、2013年より家業の「銀座きものなかがわ」に戻る。自分自身が和装についてゼロベースからのスタートだった経験から「受講者の目線に立った」「痒い所に手が届く」講座企画を常に心がける。中川時次の長女にあたる。
サポートスタッフ 市原
着楽舎の課外活動(新年会、納涼会、忘年会、春秋の懇親ランチ会など)の運営サポートを担当。
運営会社
銀座きものなかがわ有限会社
着楽舎は、高級呉服卸である銀座きものなかがわ有限会社が社会貢献事業として運営している和装の啓蒙活動です。正統派の和装に対する理解や需要が徐々に薄れてきている今だからこそ、和装を体系的に学習できる場を作り、日本の美しい伝統衣装としての和装をより深く理解し楽しんでいただけるような講座活動を継続実施しています。
お預かりする受講料は、活動運営費(教材手配費用、講座会場利用料、スタッフ謝礼)に充当しています。
本業である高級呉服卸業は、正統派の和装文化を理解し、本物志向の作品を知っていただく草の根活動